知らないとこわい先住猫にうつる病気
猫好きな方の複数頭猫を飼いたい気持ち、すごく良く分かります!ですが...しっかり知識を持って家族に迎え入れないと、大好きな先住猫の命を自ら危険にさらしてしまうことさえある病気をここでは紹介したいと思います
先住猫を守り、幸せなキャットライフを送る為、正しい知識を知って下さいませ!
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(※猫の3種混合ワクチン接種は、
こちらで紹介した
「猫汎白血球減少症/猫ウイルス性鼻気管炎/猫カリシウイルス感染症」予防するワクチンです💉
当舎も、こちらの混合ワクチン接種となります)
■以上に↑猫白血病ウイルス感染症を加えたものが「4種混合ワクチン」
■更に、猫クラミジア感染症を加えたものが
「5種混合ワクチン」となります
■猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)のワクチンは、混合ではなく単独で接種となります
1.猫の上部気道感染症
(いわゆる猫カゼ)
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫クラミジア感染症
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🌼主に「ヘルペスウイルス」や「カリシウイルス」によって引き起こされ、目ヤニ/結膜炎/鼻水/くしゃみなどのカゼ症状を主とした感染症が猫カゼと言われます
- 「 クラミジア 」 感染症による猫カゼもあり、
くしゃみ/鼻水/結膜炎といった症状が現れます。猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスと複合感染することが多い
- 抗生物質の薬を14日以上継続的に投与する必要があります
継続して抗生物質の薬を投与することで、猫クラミジアの病原体を消滅させます!
(※ただし、途中で症状が消えたからといって、抗生物質の薬の投与を中止してしまうと、猫クラミジアのキャリア猫(保菌状態)になる可能性があります !)
↑検査しても...混合感染が多い為、猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症との判断が難しいようです
🌼拾った仔猫、保護猫、自家繁殖された里子、ペットショップやブリーダーからお迎えされた子からでも、猫舎や親猫の状態によっては仔猫に見受けられる子がいます
〈感染経路〉
🌼猫がお互いのグルーミングや食器の共有による経口感染/鼻水やくしゃみなどによる飛沫感染により高確率でうつります
- 「ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)」は一度感染すると...
体外へ排除することが難しく、潜伏感染していて、ストレスや免疫力低下などにより再び増幅し症状を再発させます
- 「カリシウイルス(猫カリシウイルス感染症)」も...
体外へ完全に排除できない場合は同様です
両ウイルスに感染した猫は症状が回復した後も"キャリア"となり、感染源となります
(※キャリア…外見は健康であるにもかかわらず、その体内に病変体を保有し、排出している子のことです)
■かなり良心的な保護施設様では、両ウイルスのキャリアである場合も、ちゃんと記載した上で里親募集されてる所もあります
■通常はPCR検査が高額な事もあり、しっかりキャリアチェックされてる所の方が少ない様に思います
■当舎でキャリアの仔猫が万が一でました場合は、里親募集の際に記載する事をお約束致します
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〈予防するには?〉
🌼症状の多くは、獣医師さんによる抗生物質をはじめとした治療により、症状の回復や改善が期待できます!
先住猫ちゃんがしっかりと混合ワクチンを接種していれば、100%ではありませんが高確率で感染を予防できます!
毎年の予防接種はしっかり受けられていると安心感もあります。特に多頭飼育になる場合は、それぞれの猫ちゃんのワクチン接種日を把握し、毎年必ず受けさせてあげる事が大切です
それと、お迎えしてすぐに新しい子と先住猫を会わせない事です。ワクチン接種前に会わせて感染し、キャリアになってしまった場合...(お迎え前の環境でなっていても同じです)ワクチン接種をその後に受けても、キャリアのままとなります
※また、なんらかのストレスによって(環境変化/新しい子のお迎え/自宅以外の移動など)で、目ヤニ/結膜炎/鼻水/くしゃみなどのカゼ症状を繰り返す場合は、すでにキャリアになっている可能性があります!
どうしてもキャリアであると知りたい場合はPCR検査( 猫上部呼吸器疾患・猫結膜炎パネル/6項目 )で分かります(15,000〜18,000円と高額になり、検査日数もかかります。獣医師さんによってはPCR検査を行なってない所もございますので、まずはかかりつけ医さんへお聞き下さい)
※当舎のかかりつけ医、こもれび動物病院様は行われてます!
★優良ブリーダーでも行っている事ですが、猫同士...健康に見えてもどんなウイルスや寄生虫を持っているかは目で見て判断できない場合もあります
先住猫の定期的な健康診断やワクチン接種をしっかり行う事も、新しく迎えた仔猫をスグに先住猫と会わせずゲージ飼いにて徐々に慣らしていく事も感染予防に繋がり、お互いの猫ちゃんを守る事にもなっているんです
(又、お迎え先の健康診断結果だけに頼らず、迎えた子も自舎にてもかかりつけ医にて改めて、健康診断/PCR検査/遺伝子検査などをしている所もあります...当舎では猫達全てを守る為、↑そうして徹底しております)
2.猫エイズウイルス感染症
(猫免疫不全ウイルス感染症、FIV感染症)
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🌼野良猫や保護猫、迷い猫、完全室内飼いではない猫に感染している事があるウイルスです
感染経路は、血液/唾液/乳汁/精液中などに存在し、主に交尾/ケンカの際の咬傷/グルーミング/食器の共有などにより感染します
猫エイズウイルスは感染力の強い病原体ではないので、空気感染はしません
室内飼育で猫エイズキャリアの猫と接触する機会がなければ、猫エイズウイルスに感染するリスクはほとんどありません
一度感染すると、生涯...体外から排除されることはありません
感染した猫は、猫エイズの菌(ウイルス)を持つ、いわゆるキャリアとなります。この段階では、猫自身の免疫がウイルスの活動を抑え込んでいる為、何の症状も出ていません
やがてウイルスが活動を始めると、「発症」となります
発症すると免疫機能が低下するため、「日和見感染」という、通常では病気の原因にならないような、ちょっとした病原体に反応する状態になります
急性期に発熱/下痢/リンパ節腫大などの症状ののち、数年〜10年以上にわたる無症状期に入り、最後のエイズ発症期には著しい体重減少や日和見感染などを起こし、数カ月以内に死に至ります
※猫エイズウイルスを持っている全ての猫が、発症するわけではありません。キャリアであっても、ずっと発症せずに、そのまま天寿を全うする猫もいます!
キャリアであっても発症させない為には...
大切なことはストレスのない生活を送る事!清潔なトイレや水、栄養のある食事を与える事、騒音などのない、落ち着いた環境で過ごす事。そして、愛情をたっぷりかける事です
ストレスのない毎日を送る事で、免疫力を高く保つ事が出来ます。その結果、発症リスクを下げることにつながります!
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〈猫免疫不全ウイルス感染症の検査について〉
- FIV/ FeLV検査(血液検査になります)
- FIV検査(抗体検査)を受ける時期について詳しく説明すると…
院内で行うFIV検査は、血中の免疫不全ウイルス(FIV)に対する抗体を検出する検査です
この抗体検査では、検査を受ける時期に注意をすること、または再検査が必要になることがあります
- 感染機会があってから1か月半から2ヶ月後に検査する
猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染して約1~2か月で体内に抗体が作られます
感染が疑われたとき(感染機会があったとき)から1か月半から2か月程度、時間を置いてから検査する必要があります
- 検査結果が陽性の生後6か月以内の子猫では、生後6か月以降に再度検査する
母猫が免疫不全ウイルス(FIV)に感染していると、猫免疫不全ウイルス(FIV)に対し作られた母猫の抗体が子猫の血中に移行することがあります。
6か月齢までその抗体が存在する可能性があり、仔猫の感染はなくても検査では抗体陽性として検出される時があります
その為、生後6か月以内に検査し陽性になった子猫では、6か月齢以降で再度検査をする必要があります
3.猫白血病ウイルス感染症(FeLV感染症)
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🌼こちらも、ウイルスは主に唾液中に存在し、グルーミング/食器の共有/ケンカの際の咬傷などにより感染します
感染タイプ(①持続感染)
🌼ウイルスに対する免疫応答が不十分な為、全身がウイルス血症に陥り、感染は骨髄や全身のリンパ系組織にまで及びます
生涯ウイルス血症が続き(無症状キャリアのままのこともあります)リンパ腫をはじめとした様々な病気を引き起こすことも少なくありません
感染タイプ(②一過性感染/ウイルス排除)
🌼ウイルスに対して有効な免疫応答が働き、ウイルスは体内から排除されます!FeLV関連疾患の発症は認められません
感染タイプ(③潜伏感染)
🌼①の持続感染の場合と同様、骨髄にまで感染が及びますが、ある程度の免疫応答によってウイルスが排除されます
ですが遺伝子レベルではウイルスが残存し、その後の体調によっては再増殖し、持続感染となってしまうこともあります
一般的には、若齢猫...特に4カ月未満の子猫は、持続感染になる確率が高く、離乳期を過ぎて感染した場合は約50%/生後まもなく感染した場合(感染した母猫に舐められて)ほぼ100%が持続感染となります
↑ような猫では3~4年以内に80%以上の猫が死に至るともいわれます
一方、健康な成猫では②の一過性感染/ウイルス排除の経過をたどる=治る確率が高く、1歳以上の猫では10%程度しか持続感染にならないといわれていますが、成猫でも様々な要因によって免疫能が低下している場合には、持続感染となってしまうこともあります
感染した時の猫の年齢と深い関係があるのです!
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〈猫エイズ・白血病ウイルスのW検査ができます〉
- 猫エイズウイルス(FIV)抗体の有無と、猫白血病ウイルス(FeLV)抗原の有無を、一つの検査キットで両方いっぺんに判定できます!少量の採血で結果が出ます!
(★抗体 … ウイルスなどの病原体に対し、動物側がそれをやつけるために体内につくり出したもの
★抗原 … ウイルスなどの病原体のこと)
- 感染してから1カ月はウイルス検査をしても反応が出ないことがある為、保護猫や迷い猫を検査する場合は...1カ月以上経ってから検査する必要があり、それまでは先住猫との隔離が必要です!
(※当舎の先住猫ユキムラも保護猫で、当時この検査をかかりつけ医のこもれび動物病院様にて致しました!)
- 猫エイズウイルス抗体が(+)の場合...
過去に猫エイズウイルスに感染し、体内で抗体がつくられたということになりますが、エイズウイルスは抗体ができても体外へ排除することはできない為、抗体(+)=現在も猫エイズウイルスに感染しているということになります
- 猫白血病ウイルスについては...
持続感染とならなかった猫は、検査で猫白血病ウイルス抗原が(+)と出ても、4カ月後の再検査で(-)になる=陰転することもあります。特に成猫の場合は猫白血病ウイルス抗原が(+)と出てしまっても、あきらめずに4ヶ月後再検査することをおすすめします!
(※持続感染となる確率は、離乳期を過ぎて感染した場合は約50%/1歳以上の猫では10%程度といわれています)
4.猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)
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🌼 感染経路は...
感染した猫・ウイルスを保持している猫だと気づかずに人が触れ合って、そのまま家猫を触ってしまったり、靴の裏や服などにウィルスを付着させたまま自宅に持ち帰ってしまったりするといった感染経路が考えられます
発熱/食欲減退/嘔吐/下痢/総白血球数の減少を特徴とする感染症で、子猫の感染の場合は死亡率が90%以上とかなり高いく、怖い感染症です!
下痢はある/ないことがあります
成猫でも、混合ワクチン接種をしていないと感染して死亡してしまうことも少なくない為、本当に恐ろしいウイルスです!
ウイルスは主に、糞便中に排出されます
非常に感染力が強く、完全室内で飼っている猫ちゃんでもワクチンを打っていなければ、人間の靴についたウイルスが家に入り込むと簡単にうつってしまいます!
病状は4~6日の潜伏期ののち日に日に悪化していきますので、下痢があっても、1週間経っても元気があるなら可能性は低いと言われています
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〈パルボウイルスの検査について〉
🌼検査は直腸から採取した便を用いて判定が出ます
パルボウイルスの検査は、通常は何かしら症状がなければ必須の検査ではありません